ZINEやリトルプレスの本を作りたいと思ったとき、最初に決めること6つ

PUBLICATION

こんにちは。なつのよです。

2023年11月に開催された「文学フリマ東京37」に引き続き、2024年5月に「文学フリマ東京38」へ出店しました。

今回から、文学フリマ東京では入場料をいただくことになったのですが、来場者数は出店者・一般来場者合わせて1万2283人と、前回とほぼ変わらない数になりました。

お越しいただいた方の中には、「自分も文学フリマに出店してみたい!」「自分も本を作ってみたい!」と思った方も多いのではないでしょうか。

実は私も、そんなふうに思ったひとり。でも、実際に本を作ってみるまでには時間がかかっています。

それは、何から始めたらいいか分からなかったから

この記事では、初めて「本を作ってみたい!」と思った方に向けて、「まず何をしたらいいか」を解説します。

この記事は、こんな人におすすめ!
  • ZINEやリトルプレスの本を作りたい
  • イベントに行ったことはあるけれど、出店・出展はしたことがない
  • どんな本を作りたいか、イメージが曖昧

今回の記事を読むと、本を作るときのイメージが何となくできると思います。

「本を作ってみたい!」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ZINE・リトルプレスの本を作るとき、最初に考えることは6つ

6つと聞くと、多いように思えるかもしれません。でも大丈夫!自分がどんな本を作りたいのか、ぼんやりでもいいのでイメージしながら読み進めてみてくださいね。

さっそく、順番にみていきましょう!

①どんな内容にするか

まず、どんな表現方法を使った本にするか決めます。

小説、マンガ、写真、イラスト、詩歌、戯曲など、「カテゴリ」「ジャンル」と呼ばれるものを、大まかにでも良いので決めておきましょう。

どんなカテゴリやジャンルがあるかイメージがわかないという方は、コミックマーケットやCOMITIA、文学フリマといった各イベントがウェブサイトなどで示している「カテゴリ」「ジャンル」を参照してみましょう!

それでも決まらない!という方は、文字が多いのか、絵が多いのか、画像が多いのかといった、より大まかなイメージをもって次のステップに進みましょう。

②カラーにするか、モノクロにするか

次に、印刷するときの「色」を決めます。

小説の本を作るなら、モノクロでもいいかもしれません。

小説に挿絵を入れたいと思ったら、一部をカラーにしたほうがいいのかもしれませんし、モノクロのままでもいいのかもしれません。

イラストや写真の本を作るなら、フルカラーがいいかもしれません。

本には「表紙」と「本文」があるので、どちらをどんな色で印刷したいか考えてみましょう。

③本のサイズはどうするか

次に、本のサイズを決めます。

正解があるわけではありませんが、印刷や製本を印刷所さんにお願いする場合、B5サイズやA6サイズ、文庫本サイズなどが用意されていることが多いです。

他にも、規定サイズをカットして作る正方形の本や、新書判、横長の本を作ることができる場合もあります。

小説の本を作るなら、文庫本サイズが本格的でいいかもしれません。

イラストや写真といった図版を多く使うなら、B5やA4といった大きめのサイズのほうがいいかもしれません。

まずは、「こんな本にしてみたい!」という理想をイメージしてみてください。

④ページ数はどうするか

ページ数には、ある程度の決まりがあります。

それは、基本的に「8の倍数」あるいは「4の倍数」であること(本来的には16の倍数が理想と考えられますが、印刷所さんでは4の倍数でページ数の設定をしていることが多いです)。

これは、本の作り方に理由があるのですが、また別の機会にお話ししますね。

20ページの本を作るのと、100ページの本を作るのでは作業内容がまったく違う……、ということは、なんとなくお分かりいただけるかと思います。

可能な製本の方法なども変わってきますので、お手元にある本などでイメージしながら、大まかなページ数を自分の中で設定してみてください。

また、コピー用紙などを使って実際に簡単な本を作ってみるのもおすすめです。

ページ番号を振りながら、「このページには◯◯をレイアウトして……」など、目次から奥付まで作ってみましょう。

「割付(わりつけ)」と呼ばれる本の設計図を書いてみてもいいかもしれません。

⑤何部作るか

少しずつ、本を作るだけでなく「販売する」(「頒布(はんぷ)」という言葉を使うこともあります)ことが現実的になってきました。

というのも、この「何部作るか」というのは、作った本の販売価格に大きく関わってくるからです。

「ZINE」や「リトルプレス」と呼ばれる冊子の場合、自分で印刷・製本まで行う場合もありますし、印刷所さんにお願いする場合もあります。

印刷所さんにお願いする場合は、多くの部数を印刷・製本すると、1冊あたりの値段も安く抑えられることが多いです。

ただ、それを売り切ることができなければ、赤字が生まれてしまいます。また、多くの在庫を抱えると、それを保管するスペースも課題になってきます。

運営するSNSなどのフォロワー数などを判断材料にしながら、無理のない部数から始めることをおすすめします。

⑥印刷や製本はどうするか

前の項目でも少しお話ししましたが、本の販売にあたって、印刷や製本を誰がするのか、というのも大切なポイントとなります。

「ZINE」や「リトルプレス」の場合、自宅にあるプリンタなどで印刷し、ステープラー留めなどで本の形に仕上げる場合も多くあります。

一方、印刷所さんにお願いすると、データなどをお渡しすれば(「入稿」といいます)、印刷から製本まですべてやっていただくことができます。

どちらがいいかは、作りたい本のイメージや、予算次第。

ただ、印刷所さんで印刷・製本を行う場合、自由度が下がる場合もあります。

例えば、紙に書いた原稿(アナログ原稿)をそのまま入稿できる印刷所さんは、近年減少傾向にあります。

また、ごく少ないページ数では本の形にすることができないことなどもあり、そうした場合は自分で印刷・製本を行うことになることもあります。

「自分の作りたい本」のイメージを実現するにはどうすればいいのか、明確なイメージをもってから本作りに取りかかってくださいね。

まとめ

ここまで、「ZINEやリトルプレスの本を作りたい」と思ったときに、最初に決めることのお話をしてきました。

  1. どんな内容にするか
  2. カラーにするか、モノクロにするか
  3. 本のサイズはどうするか
  4. ページ数はどうするか
  5. 何部作るか
  6. 印刷や製本はどうするか

まずはこの6つを押さえて、「自分の作りたい本」をイメージしてみてください。

そうすれば、イベントへの参加も見えてきますよ!